2008 Fiscal Year Annual Research Report
電解重合法及び前駆体法によるπ共役高分子薄膜の有機トランジスタへの新規展開
Project/Area Number |
20750153
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
安田 剛 National Institute for Materials Science, 材料ラボ, 主任研究員 (30380710)
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Keywords | 有機トランジスタ / アリールアミンポリマー / 導電性高分子 / 有機半導体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、古くからの研究によりπ共役高分子薄膜形成法として確立している2種類の方法、電解重合法及び前駆体法を用い薄膜を作製し、有機電界効果トランジスタ(有機FET)へ応用可能なπ共役高分子を探索することである。上記手法を用いることで、通常の有機合成では溶解性の問題で合成困難なπ共役密度の高い高分子薄膜が得られるという利点があり、これまでに有機FET用材料として使用不可能だった新奇な材料で有機FET特性を提示することが可能であり、新規有機半導体の設計指針として有益な知見が得られる。 平成20年度の検討項目としては、上記2種類の薄膜作製法で得られる薄膜形態として予想されるアモルファス高分子半導体薄膜での有機FET作製を行い、アモルファス高分子半導体の移動度の限界を見極めることに挑戦した。今回の材料は溶液よりアモルファス薄膜が形成可能なアリールアミンポリマーを用いた。系統的に開発した28種類のアリールアミンポリマーは分子量が1-2万程度で、いずれも有機溶媒に可溶であり、スピンコート法によりアモルファス薄膜を形成した。その薄膜を有機半導体、パリレンCを絶縁膜として用いたトップコンタクト型の有機FETを作製したところ、全てp型のFET特性を示した。その有機FETの正孔移動度は10^<-6>から10^<-3>cm^2/Vsの範囲にあり、得られたFET特性を側鎖の影響、主鎖に導入する芳香族ユニットの影響に分けて考察し、移動度向上に有効な側鎖、あるいは主鎖に導入したユニットを見出す事が出来た。
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Research Products
(4 results)