2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750154
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
有吉 欽吾 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 講師 (80381979)
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Keywords | リチウム二次電池 / インサーション反応 / 分極測定 |
Research Abstract |
本研究では、リチウム二次電池材料の分極測定法を確立し、種々のリチウム二次電池材料の分極測定を行うことで、その出力特性に関わる因子を明らかにし、高入出力リチウム二次電池へと展開することを目的としている。リチウム二次電池材料の分極測定法として、振幅1Vの正弦波電圧を電気化学セルの開回路電圧に重畳させることで、組成変動を起こすことなく材料の分極挙動を測定することが可能となった。この分極測定法を高電圧正極材料であるリチウムニッケルマンガン酸化物(Li[Ni_<1/2>Mn_<3/2>]O_4)に適用し、種々の温度で合成した試料について分極測定を行った結果、材料の結晶性と入出力特性との間に明確な相関関係がみられた。特に、スピネル型に特有の正八面体の晶癖がみられるほど局結晶化した材料は、結晶性の低いものと比較して、低分極で優れた入出力特性を示した。このことから、リチウム二次電池材料の入出力特性において、材料の結晶性が重要な因子であり、高結晶化させることで高い入出力特性が得られることを明らかにした。また、結晶性の高低にかかわらず、いずれの試料においても定常分極曲線はほぼ直線となり、印加電圧と応答電流との間には指数関数的依存性は見られなかった。これらの結果は、リチウム二次電池材料を導電助剤や結着剤を混合し成形した、いわゆる多孔体電極として用いた場合には、抵抗分極のみが見られるという興味深い現象を見出した。
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Research Products
(4 results)