2008 Fiscal Year Annual Research Report
メソポーラス構造を有するマンガン酸化物電極の作製と電気化学キャパシタへの応用
Project/Area Number |
20750155
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
野原 愼士 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 講師 (40326278)
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Keywords | 電気化学キャパシタ / マンガン酸化物 / メソポーラス構造 / 界面活性剤 / 電析 / 硝酸環元 / テンプレート |
Research Abstract |
本年度得られた研究成果は以下のようである。 1)まず、これまで報告例のないカソード還元による規則的なメソポーラス構造を有するマンガン酸化物の作製を試みた。Pt電極板上に、硝酸マンガンおよびカチオン界面活性剤であるセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を含む電析浴を用いて、-0.8VvS. Ag/AgClの条件で硝酸イオンを還元し、電極表面近傍でのpHを上昇させて、水酸化マンガンを電析させた。電析物をメタノール洗浄、さらには熱処理(250℃あるいは400℃、1h)を行うことにより、界面活性剤を除去した。光電子分光分析により、メタノール洗浄のみ、さらに250℃あるいは400℃で熱処理を行った3種類の試料の平均酸化数は、それぞれ2、2.3、2.6価と評価され、熱処理により酸化が進行することがわかった黛X線回折ではいずれの試料も2θ=2°付近に顕著な回折ピークが現れ、CDBをテンプレートとしてd_100=5nm前後の規則的なメソポーラス構造を有するマンガン酸化物が作製できたことが示唆された。 2)作製した試料電極について、0.5M硫酸ナトリウム水溶中でサイクリックボルタンメトリー(CV)を行うことにより、キャパシタ特性を評価した。いずれの試料もキャパシタ特有の長方形的なボルタモグラムを示した。メタノール洗浄のみの試料は約180Fg^-1の容量を示し、さらなる熱処理により容量は低下したものの、CVでの電流の応答性が向上した。熱処理を行うと、構造水の脱離により利用率が低下するものの、十分なテンプレートの除去により細孔内でのイオンの拡散性が向上したことが考えられる。400℃で熱処理した試料について、CTABを含まない電析浴から同様に作製、熱処理した試料と比較すると、容量が約18%大きく(それぞれ66Fg^-1、56Fg-1)、応答性も優れていることがわかり、この作製条件ではCTABによるメソポーラス構造の構築がキャパシタ特性に効果的であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)