2009 Fiscal Year Annual Research Report
官能基相互作用を利用した、電解析出による無機酸化物の結晶性、配向性制御
Project/Area Number |
20750159
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Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
渡辺 充 Osaka Municipal Technical Research Institute (70416337)
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Keywords | 表面・界面物性 / 結晶成長 / 太陽電池 / ソフト溶液プロセス |
Research Abstract |
本研究の目的は、スルホン酸基、カルボニル基、アンモニウム基、アミノ基等の官能基が提示された界面における各種の機能性無機化合物の溶液電解法による結晶核生成・成長挙動をあきらかとし、これを機能性無機化合物のための配向制御膜として利用できるようにすることである。これにより、接着性がよく、結晶配向の揃った無機化合物膜を、ヘテロエピタキシャル成長等の煩雑な方法によらずにソフト溶液プロセスによって形成することが可能となる。このような無機化合物の、ソフト溶液プロセスにおける基板界面上での結晶核生成挙動および接着に関する知見は、化合物系の太陽電池・発光素子等の積層デバイスを、安全・安価なソフト溶液プロセスで効率よく形成することに応用できると考えられる。 平成21年度には、ITO基板上にレイヤー・バイ・レイヤー法(LbL法)によりポリスチレンスルホン酸ナトリウムを固定化し、酸化亜鉛の析出を試みた。その結果、酸化亜鉛の析出量の増加とともに、結晶の配向が揃っていることが、FE-SEMおよびXRDの測定結果から確認できた。また、酸化亜鉛結晶の配向性のさらなる向上のため、表面処理条件や電解条件の最適化を行った。さらに、酸化亜鉛結晶の配向性が向上することで、得られた酸化亜鉛膜の紫外発光強度やヘイズ値などの光学特性が向上することも見出した。 このようにして得られた酸化亜鉛膜上にp-型半導体を積層し、p-n接合素子を作成したところ、良好なダイオード特性を示すことがわかったが、現在のところ、酸化亜鉛結晶の配向性が向上したことによる顕著なダイオード特性の向上は見られていない。
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Research Products
(2 results)