2010 Fiscal Year Annual Research Report
官能基相互作用を利用した、電解析出による無機酸化物の結晶性、配向性制御
Project/Area Number |
20750159
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Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
渡辺 充 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (70416337)
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Keywords | 表面・界面物性 / 結晶成長 / 太陽電池 / ソフト溶液プロセス |
Research Abstract |
本研究の目的は、スルホン酸基、カルボニル基、アンモニウム基、アミノ基等の官能基が提示された界面における各種の機能性無機化合物の溶液電解法による結晶核生成・成長挙動をあきらかとし、これを機能性無機化合物のための配向制御膜として利用できるようにすることである。これにより、接着性がよく、結晶配向の揃った無機化合物膜を、ヘテロエピタキシャル成長等の煩雑な方法によらずにソフト溶液プロセスによって形成することが可能となる。このような無機化合物の、ソフト溶液プロセスにおける基板界面上での結晶核生成挙動および接着に関する知見は、化合物系の太陽電池・発光素子等の積層デバイスを、安全・安価なソフト溶液プロセスで効率よく形成することに応用できると考えられる。 平成22年度までに、ITO基板上にレイヤー・バイ・レイヤー法(LbL法)によりポリスチレンスルホン酸ナトリウムを固定化することで、酸化亜鉛の析出量が増加するとともに、結晶の配向が揃うことが、FE-SEMおよびXRDの測定結果から確認できている。さらに、酸化亜鉛結晶の配向性が向上することで、得られた酸化亜鉛膜の紫外発光強度やヘイズ値などの光学特性が向上することも見出した。 平成22年度には、酸化亜鉛結晶の配向性のさらなる向上のため、表面処理条件や電解条件の最適化を行った。また、酸化亜鉛以外の複数の酸化物についても配向性制御の可能性を探ったが、良好な結果は得られなかった。このため、当初に予定していた酸化物太陽電池の作製には到達できなかった。しかしながら、その検討の途上において、酸化モリブデンおよび酸化バナジウムを電析できることを見出し、またその膜がアモルファスながらホール輸送能をもつことが明らかとなったことから、今後、ホール輸送層としてのそれらの応用を試みていく。
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Research Products
(1 results)