2008 Fiscal Year Annual Research Report
固体蛍光共鳴エネルギー移動特性を示す蛍光性金属錯体の創製と光電子デバイスへの展開
Project/Area Number |
20750161
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大山 陽介 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 助教 (60403581)
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Keywords | 固体蛍光 / 光物性 / 蛍光性金属錯体 / 色素増感太陽電池 / 光電子デバイス |
Research Abstract |
本年度は、カルバゾオキサゾール系蛍光性色素配位子(1)とそのルテニウム錯体色素(Ru-(1))を分子設計・合成し、それらの固体光電子物性評価を行った。さらに、色素配位子(1)およびRu錯体色素(Ru-(1))を用いた色素増感太陽電池の機能評価を行った。得られた結果を以下に示す。 1. 蛍光性色素配位子(1)とそのルテニウム錯体色素(Ru-(1))の合成 2-ヒドロキシカルバゾールを出発原料として4段階の反応を経て、新規なカルバゾオキサゾール系蛍光性色素配位子(1)を合成した。さらに、配位子(1)とRu(bipy)_2Cl_2を反応させることで、ルテニウム錯体色素(Ru-(1))を得ることができた。 2. 色素配位子(1)とRu錯体色素(Ru-(1))の光物性 色素配位子(1)とRu錯体色素(Ru-(1))の溶液中での可視吸収および蛍光スペクトル測定、蛍光量子収率測定を行った。DMF中の可視吸収スペクトルにおいて、色素配位子(1)は425nmと351nmに吸収極大を示した。一方、Ru錯体色素(Ru-(1))において、色素配位子由来の吸収帯が428nmと353nm付近に出現し、さらに、MLCT吸収帯が530nm付近に出現した。対応する蛍光スペクトルでは、色素配位子(1)の蛍光極大波長は459nmに出現し、蛍光量子収率(φ)は中程度の50%であった。一方、Ru錯体色素(Ru-(1))は600nm付近に微弱な蛍光性を示した。 3. 色素配位子(1)およびRu錯体色素(Ru-(1))を用いた色素増感太陽電池 色素配位子(1)およびRu錯体色素(Ru-(1))を用いた色素増感太陽電池を作製し、光電変換特性の評価を行った。その結果、色素配位子(1)とRu錯体色素(Ru-(1))の光電変換効率はそれぞれ0.2%と0.1%であった。
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Research Products
(3 results)