2008 Fiscal Year Annual Research Report
層状ケイ酸塩と有機金属錯体とのナノハイブリッド型発光材料の創製
Project/Area Number |
20750165
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
望月 大 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (90434315)
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Keywords | 層状ケイ酸塩 / 光物性 / ナノハイブリッド / 発光素子 / シリル化 |
Research Abstract |
無機-有機ナノハイブリッド材料は、新物性・新機能発現の期待から、多くの注目を集めている。申請者は、これまでに層状ケイ酸塩のシリル化を活用し、新規無機有機ナノハイブリッドを創製するとともに、シリル化反応を制御し、新規ケイ酸骨格の構築に成功した。本研究課題においては、層状ケイ酸塩層間に光捕集アンテナとなり、かつ金属と配位結合を形成可能な分子を固定化し、その後、層間でEuやTbなどと反応させることにより、発光系ナノハイブリッド材料を創製することを目的としている。また、シリル化の反応条件を変化させ、金属種の配列を精緻に設計することにより、光物性を制御することを目的としている。 本年度の研究では、高い熱的安定性を有し、結晶層表面に規則的に配列したSi-OH基を持つ層状オクトシリケートに対し、安息香酸エチルのp位がトリクロロシリルメチルで置換したシリル化剤を反応させ、層間に安息香酸エチルを固定化した後、層間のエトキシ基の加水分解によるカルボン酸への転換を試みた。シリル化生成物の層間隔(1.76nm)はオクトシリケートのケイ酸層の厚み(0.74nm)に比べ増加し、13C CPIMAS NMRより安息香酸エチル由来のシグナルを観測した。29Si MAS NMRの結果より、新たにT2環境にシグナルが出現し、Q3環境のシグナルは減少し、さらにそれらの積分強度比より、一つのシリル基は二つの層表面Si-OH基と反応し、層間を規則的に固定化していることが示された。また、塩酸処理後の試料において、XRDによる層間隔の減少および13C CP/MAS NMRにおけるエトキシ基由来のシグナルの減少を観測したことから、層間のエトキシ基の加水分解が示された。
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Research Products
(10 results)