2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ細孔内における固体電解質の構造とイオン導電機構の解明
Project/Area Number |
20750168
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 博俊 Nagasaki University, 工学部, 准教授 (10359961)
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Keywords | 固体電解質 / 全固体型電池 / 界面 / 空間電荷層 / 結晶歪み |
Research Abstract |
本研究では、イオン伝導体を多孔構造を有する絶縁体(アルミナなど)の細孔内に充填することによりナノサイズ化されたイオン伝導体の構造の精密化を行い、構造とイオン導電性との相関解明を目的とした。本年度はナノサイズ化によるイオン伝導体の構造変化やイオン伝導性の変化を調べた。 (1) 固体電解質ナノ微粒子作製 リチウムイオン伝導体Li_2SiO_3を遊星型ボールミルにより粉砕し、Li_2SiO_3ナノ微粒子を得た。粉砕条件を変えて、結晶構造、粒径及び不純物混入量変化を調べた。 (2) 活物質/電解質ナノ複合体の作製及びイオン導電挙動に関する研究 (1)で作製したLi_2SiO_3ナノ微粒子に、活物質であるFePO_4ナノ粒子を混合することにより、複合体を作製した。それぞれの複合体に対して、結晶構造変化及びイオン導電挙動の変化を調べた。その結果、Li_2SiO_3-TiO_2系ではイオン導電率は上昇するが、Li_2SiO_3-Li_xTiO_2系では導電率は低下することを明らかにした。この挙動の違いは、固体電解質-活物質間のリチウムイオンの化学ポテンシャル差による界面層の形成の違いによると考えられた。またLi_2SiO_3-FePO_4系では、Li_2SiO_3の格子膨張を伴う、イオン導電率の上昇と活性化エネルギーの低下が確認された。これはFePO_4におけるリチウムイオンの化学ポテンシャルが、より低いことから、強くリチウムイオンを引き寄せ、Li_2SiO_3中に高濃度の空孔を誘起したためと考えられた。 以上の研究より、固体電解質/電極活物質界面では、イオンの化学ポテンシャル差により組成の変化が生じ、イオン伝導挙動が変化することを見出した。
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Research Products
(4 results)