2009 Fiscal Year Annual Research Report
微小角入射広角・小角X線散乱同時測定法によるブロック共重合体薄膜の階層構造解析
Project/Area Number |
20750176
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 勝宏 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (30314082)
|
Keywords | 微小角入射小角X線散乱 / ブロック共重合体 / 階層構造 / 薄膜 / 配向構造 / 相分離構造 |
Research Abstract |
高分子材料は、近年のデバイス微小化に伴い、局所的微小領域の構造や物性の解明が重要になってきている。これは、材料の比表面積が相対的に大きくなり、高分子の構造および物性が表面の影響を強く受けるようになり、そのような環境では、構造および物性はもはやバルクとは著しく異なるためである。高分子薄膜の構造が微小領域の高分子材料物性に関係するという観点から、基板上の高分子薄膜が形成する階層構造の解析に焦点を当てた。結晶性高分子ブロック共重合体が形成する階層構造および、非晶性ブロック共重合体に着目した。結晶性高分子ブロック共重合体の超薄膜におけるミクロ相分離構造および結晶構造の形成過程・転移過程を幅広いサイズスケールにわたって同時に観察・解析するための微小角入射X線回折・小角X線散乱(Grazing Incidence X-ray Diffraction & Small Angle X-ray Scattering : GIXD/GISAXS)同時測定法を確立した。GIXD/GISAXSステージとして温度制御、雰囲気制御可能な試料周りの設計を行い、様々な環境変化に伴う構造変化過程を観察できるものを製作した。非結晶性ブロック共重合体においては、溶媒添加によってミクロ相分離構造が高秩序化していく過程を時間分割測定で評価し、メカニズムを解明する糸口をつかんだ。これにより高分子薄膜材料の階層構造解析、構造形成および転移ダイナミクスを解明する手法として期待できる。一連の研究成果は、国内外の学会発表および論文発表にて報告した。
|
Research Products
(10 results)