2008 Fiscal Year Annual Research Report
フーリエ分光法に基づく量子ドットで発生する単一光子の偏光状態測定装置の開発
Project/Area Number |
20760002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笹倉 弘理 Hokkaido University, 電子科学研究所, 助教 (90374595)
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Keywords | 半導体量子構造 / 量子ドット / 量子リング / ナノワイヤ / コヒーレンス / 量子情報 / 核スピン |
Research Abstract |
量子情報通信において復調時のビットエラーレートの抑制が必要とされている。量子ドットおよび量子リングといった半導体量子構造から発生する一光子状態についてフーリエ分光測定法の一種である一次の自己相関測定を行い、量子通信の実現において重要なデバイスである単一光子源のコヒーレンス時間を詳細に評価した。その時間は数十ピコ秒程度であった。コヒーレンスの向上をめざし、光子源のデコヒーレンスを誘起する起源の一つである核スピンのランダムな揺らぎを抑制に着手し、光誘起による核スピン制御により数テスラにも及ぶ大きな局所磁場(約100nm)の形成が可能であることを見いだした。このような制御性に優れた局所磁場は、量子ゲート動作、量子ビット変換等の応用に期待できる重要な成果の一つである。 またもつれあい光子対発生にはこれまで盛んに研究されている自己集合型量子ドットよりも量子リング構造の方が、異方性交換相互作用が弱く量子通信の脆弱性(which-path情報)に対する耐性を有するこした。一方で電気的駆動が単光子源の有力な候補の一つと考えられている、半導体ナノワイヤに埋め込まれた量子ドット構造から発生する光子状態についてコヒーレンス、偏光、寿命等を詳細に測定した。その結果、量子リング構造と同様に異方性交換相互作用が小さく、また確定した偏光状態の光子を発生させることができることを確認した。
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Research Products
(13 results)