2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760013
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
園田 早紀 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (30397690)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / MBE・エピタキシャル / 磁性 / 半導体物性 / 電子・電気材料 |
Research Abstract |
Mn添加GaNは、半導体でありながら室温で強磁性を示すという新機能材料で、Mnの価数制御によりその磁気特性をコントロールできる材料であることが本申請者により初めて実験的に確認されたものである。本申請研究は、磁性特性制御法の確立を目指し、Mnの価数混成状態を安定に発現させる共添加元素を見いだし、強磁性を発現させることを目的とした。本研究期間、あらたな展開として、スパッタ法による遷移金属添加GaNの合成を試みており、平成22年度には、Mnをはじめとする3d遷移金属添加GaN、AlNおよびこれらの混晶と、非添加GaN、AlNなどの薄膜をスパッタ法により合成し、結晶構造、バンド構造、遷移金属状態分析を行った。これらの膜は、表面、界面平坦性の極めて高い緻密な膜で、X線回折法によりウルツ鉱型多結晶であること、蛍光X線分析により、Crなどが3価で存在していることを確認することが出来た。これはGaと置換して取り込まれていることを示すものである。また、光吸収スペクトル分析などから、不純物バンドが形成されている可能性が示された。さらに、非添加GaNとの接合構造を作成し、電気伝導特性を調べたところ、光照射下でCr添加GaN/p-GaNなどが微分負性抵抗を示すことを確認した。これは、スパッタで作成した多結晶膜でも、GaN中の遷移金属が不純物バンド構造を形成し、かつこの不純物バンドが電気伝導を示すことを、初めて実験的に確認したものである。この成果は、応用上最も重要な電気伝導特性での確認であり、極めて重要である。
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