2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規光誘起磁性酸化物の創成とスピントロニクス素子応用
Project/Area Number |
20760014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神吉 輝夫 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40448014)
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Keywords | スピントロニクス / 酸化物エレクトロニクス / 磁性 |
Research Abstract |
【研究目的】本研究の全体構想は、光照射により、室温で磁化が制御できる室温光誘起磁性体の有望な材料である酸化物強磁性体スピネル型フェライトに注目し、遷移金属イオン、非磁性金属イオンのドーピング量、種類を変え、室温において高効率な光磁性変調現象を起こす磁性薄膜材料を創製し、最終目的として、光誘起磁性スピネル酸化物の薄膜化により、光により磁性を制御できる新規デバイスの構築や光誘起型トンネル磁気抵抗素子の作製を行うことである。 【研究成果】強磁性層/トンネルバリア絶縁体層/強磁性層からなるトンネル磁気抵抗素子の作製においては、十分な磁気抵抗効果を得るために、トンネルバリア層を薄く(数nm)しなければならない。その際、トンネル絶縁体層に電流リーク源となるピンホールができないよう、強磁性層の表面をオングストローム単位で平滑にする必要がある。本年度前半期では、強磁性フェライト薄膜の表面状態を改善するために、薄膜作製時の基板温度0酸素圧力の最適条件を探索し、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、表面の評価を行ってきた。その結果として,30マイクメートル四方の領域においては、数オングストロームほどの超平坦表面を有した薄膜を作製することができた。後半期には、この超平滑強磁性薄膜をボトム層とし、スピネルフェライト強磁性/Al_2O_3/金属強磁性構造からなる10マイクロメートル以下のトンネル磁気抵抗素子をフォトリソグラフィー技術を用いて作製した。
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Research Products
(2 results)