2009 Fiscal Year Annual Research Report
ZnO薄膜における高密度励起状態特有のフォノンサイドバンドからの誘導放出
Project/Area Number |
20760015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
市田 秀樹 Osaka University, 先端科学イノベーションセンター, 助教 (50379129)
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Keywords | ZnO / 時間分解ダイナミクス / 高密度励起 / 誘導放出 |
Research Abstract |
本研究の目的は,近紫外領域における光デバイスへの応用が期待されているワイドギャップ半導体のZnO薄膜における,電子・正孔プラズマ発光におけるフォノンサイドバンド発光を利用した誘導放出過程の存在を光学利得スペクトルより明らかにすることである.平成21年度の研究においては,光カーゲート法を用いた時間分解発光スペクトル測定を平成20年度からの結果を継続しながら実施し,新たにZnO薄膜における電子・正孔プラズマ発光におけるフォノンサイドバンドの光学利得測定のためのサブピコ秒Pump-Probe法による過渡吸収分光装置過渡吸収スペクトル測定の構築と,その測定を行った.本測定系の導入に当たっては,時間分解発光スペクトルと過渡吸収スペクトルの同時測定に向けた取り組みを行った.その結果,これまでに電子・正孔プラズマ発光におけるフォノンサイドバンドの過渡吸収スペクトルの測定に成功しており,得られた結果に対して,時間分解発光スペクトル測定の結果と比較し,EHPのフォノンサイドバンド発光のダイナミクスに関して,光励起後のキャリアダイナミクスの観点から検討した.また,ZnO薄膜における電子・正孔プラズマ発光のフォノンサイドバンドの光学利得に関しては,~10^3cm^<-1>程度の大きさがあることが分かっており,これは,ZnO薄膜における電子・正孔プラズマ発光のフォノンサイドバンドを利用した誘導放出の可能性を示唆するものである.
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Research Products
(1 results)