2009 Fiscal Year Annual Research Report
量子ダイナミクスに基づく半導体デバイス界面におけるトンネル現象の理論的考察
Project/Area Number |
20760019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村口 正和 Tohoku University, 学際科学国際高等研究センター, 教育研究支援者 (90386623)
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Keywords | 量子ダイナミクス / トンネル現象 / 2次元電子ガス / ナノ構造 / ナノドット / 動的相関 / 非平衡状態 / ナノドットメモリー |
Research Abstract |
本研究では、次世代の半導体デバイスの中核技術となる荷電担体のトンネル制御の指針を与えることを目的として、量子ダイナミクスの立場から半導体デバイス中の界面における電子のトンネル過程を探求している。本年度は、半導体デバイス中の界面におけるトンネル現象の素過程に対して、前年度までに明らかとした知見を踏まえ、以下の課題に取り組み成果を得た。 1.デバイス界面におけるトンネル素過程に対する理論の個別の界面への適用 デバイズの動作原理およびその信頼性に、半導体デバイス界面におけるトンネル現象が、大きな影響を与える系として、量子ドットメモリーへの電荷注入放出機構を対象として、それらにおける電子のトンネル過程を検討した。デバイスの個性および物質の特徴を踏まえた電子のトンネル過程の解明を行うと同時に、我々の理論の適用範囲を探った。実験との緊密な連携を行い、実験的に明らかとなった当該デバイス構造における直接トンネル領域での温度依存性の理論モデルを提出した。さらに、自らも実験を行い電気的特性の所得を行い、その解析を進めた。 2.電子の動的な相互作用に基づくダイナミクス研究の展開 少数個の電子により駆動されるデバイスにおいては必然的に電子間相互作用が強くなり、デバイスの特性へ与える影響も無視出来ないものとなる。我々のアプローチの特性を活かし、従来取り扱うことの難しかった電子の動的な相互作用に基づくダイナミクスを扱うことを試みた。本年度はトンネル現象における電子ダイナミクスの探求を、エミュレーションをベースとした確率モデル計算を用いて扱うことを試み、電子の動的相関効果の入ったトンネル現象の解明の準備を行った。 以上述べたように本年度本研究は、昨年度に引き続き、半導体デバイス中の界面におけるトンネル現象の理論展開を実験と緊密な連携をとりつつ行い、その時間に依存した特性を、実験による現象の抽出から理論の構築までを一貫して行った。これらの知見は、将来のナノデバイス設計にとって有益であることが期待される。
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[Presentation] Importance of Electronic State of Two-Dimensional Electron Gas for Electron Injection Process in Nano-Electronic Devices2009
Author(s)
M.Muraguchi, Y.Sakurai, Y.Takada, Y.Shigeta, M.Ikeda, K.Makihara, S.Miyazaki, S.Nomura, K.Shiraishi, T.Endoh
Organizer
Asia-Pacific Workshop on Fundamentals and Applications of Advanced Semiconductor Devices 2009
Place of Presentation
Busan, Korea
Year and Date
2009-06-25
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