2010 Fiscal Year Annual Research Report
量子ダイナミクスに基づく半導体デバイス界面におけるトンネル現象の理論的考察
Project/Area Number |
20760019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村口 正和 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 教育研究支援者 (90386623)
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Keywords | 量子ダイナミクス / トンネル現象 / 2次元電子ガス / ナノ構造 / ナノドット / 動的相関 / 非平衡状態 / ナノドットメモリー |
Research Abstract |
本研究では、次世代のナノスケール半導体デバイスの中核技術となる荷電担体のトンネル制御の指針を与えることを目的として、量子ダイナミクスの立場から半導体デバイス中の界面における電子のトンネル過程を探求してきた。以下に本年度得られた成果を報告する。 本年度は、これまでの研究成果を発展させ、半導体デバイス中の界面における新たなトンネル現象に対する理論構築を行った。まず、昨年度に引き続き半導体デバイス界面におけるトンネル現象について、特に量子ドットメモリーへの電荷注入放出機構を対象として、実験で得られた現象の抽出、理論の構築、開発した現象論的シミュレーションによる検証までを一貫して行った。デバイス中の反転層に形成された電子ガス中の電子ダイナミクスと電子間相互作用に着目して検討を進めた結果、「動的相互作用に基づく電子の協調的トンネル現象」を提案するに至った。 続いて、提案した協調的トンネル現象の体系を、次世代の大容量メモリセルの有力候補である電荷蓄積型メモリセルの電荷注入過程に展開し、当該デバイスにおいても、協調的トンネルが起こりうることを明らかとした。この成果は、電荷蓄積型メモリの新たな多値化の可能性を示唆する成果である。 以上の成果により、ナノスケールの半導体デバイス中の界面においては、局所的なポテンシャル場のゆらぎと、それに伴う動的相互作用の顕在化により、本研究で提案した協調的トンネル現象などの新奇な現象が発現することが明らかとなった。これらの成果は、将来のナノスケール半導体デバイスにおいて要求される荷電担体の精密制御を実現する上で極めて重要な知見である。
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[Presentation] Bias Voltage Sweep Speed Dependence of Electron Injection in Si-Nano-Dots Floating Gate MOS Capacitor2010
Author(s)
M.Muraguchi, Y, Sakurai, Y.Takada, S.Nomura, K.Shiraishi, M.Ikeda, K.Makihara, S.Miyazaki, Y.Shigeta, T.Endoh
Organizer
International Meeting for Future of Electron Devices, Kansai 2010
Place of Presentation
大阪
Year and Date
20100513-20100514