2008 Fiscal Year Annual Research Report
サーファクタント効果による選択的な高融点金属シリサイド形成過程のリアルタイム解析
Project/Area Number |
20760021
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大野 真也 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 特別研究教員 (00377095)
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Keywords | 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本課題の目的は、酸素や水素が介在するサーファクタント効果により高融点金属のシリサイド形成過程がどのように変化するのかを考察することである。 平成20年度は、走査トンネル顕微鏡を用いた高温観察によりSi(001)表面においてチタンと酸素が共存することにより欠陥形成が誘起されることを明らかにした。この欠陥形成は、湾曲したステップ形状やシリサイドの島構造の周囲に形成されるピット構造の要因となっている。Si(001)酸化表面では、約650℃でSiO脱離により欠陥形成が生じることが知られている。チタンが吸着している場合には、600℃において欠陥が生じることを確認しそのダイナミクスについての知見を得た。また、水素終端した表面上においてはチタンの拡散が阻害されることにより、四角形の平坦なシリサイドの島構造が形成されることを見出した。光電子分光を用いた研究では、チタンシリケート構造の形成過程について詳しく調べた。興味深い現象として、チタン吸着によりシリコンの酸化数が増加することを見出した。Gaussian03を用いた数値計算により、Ti-O-Si系における電荷移動と実験で観測された化学シフトとの対応関係を解析した。反射分光を用いて、エチレン分子との反応による界面緩衝層の形成過程に関して予備的な知見を得た。以上の研究により、Ti-O-Si系とTi-H-Si系における表面構造と電子状態との関係を明らかにした。さらに、界面構造がシリサイド形成に及ぼす影響を系統的に調べるため、Si(111), Si(110)等の面方位に関してもサーファクタント効果の検討を開始した。
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Research Products
(7 results)