2009 Fiscal Year Annual Research Report
サーファクタント効果による選択的な高融点金属シリサイド形成過程のリアルタイム解析
Project/Area Number |
20760021
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大野 真也 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 特別研究教員 (00377095)
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Keywords | 表面・界面物性 / シリコン / 酸化反応 / シリサイド / 光電子分光 / 走査トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
平成21年度は、光電子分光を用いてSi(001), Si(311), Si(120)の各面方位におけるチタンシリサイド形成への酸素の影響を系統的に調べることを目的として実験を行った。本研究により、チタン薄膜直下において室温においても高酸化状態(Si^<3+>,Si^<4+>)が支配的に形成されることが明らかとなった。この結果は、チタン薄膜が触媒的な作用を果たすことにより酸化促進反応が生じることを示唆している。シリコン表面における酸化促進反応の研究では、原子状酸素やオゾンによる酸化に関して報告がなされている。高酸化状態が形成される主な要因としては、チタンとシリコンの界面において酸素の安定な吸着サイトが増加することやチタン薄膜を通過する酸素が原子状酸素の様に反応性の高い形態をとることが考えられる。面方位依存性に関しても新しい知見が得られた。例えば、Si(120)面においてはチタンの酸化が進行し難いことが分かった。従って、誘電率の高いチタン酸化膜を作製するという観点ではSi(120)よりも、Si(001), Si(311)面が適していることになる。本研究から派生した問題として、酸素分子暴露よりも早い速度で進行する酸化過程を系統的に考察することが重要であると考えた。リアルタイム光学計測では、酸窒化反応とアルカリ金属誘起による酸化促進反応を考察した.これらの知見を、チタン薄膜直下での酸化促進反応の研究に応用発展させるごとが、今後の課題として残された。
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Research Products
(14 results)