2008 Fiscal Year Annual Research Report
次世代半導体プラズマエッチングプロセスのための遷移金属炭化反応の解明と制御
Project/Area Number |
20760023
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 和生 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (50335189)
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Keywords | プラズマプロセス / プラズマ加工 / エッチング / ナノデバイス |
Research Abstract |
次世代超大規模集積回路(ULSI)におけるゲート絶縁膜材料として有望視されている酸化ハフニウム(HfO_2)に注目し、ゲート幅が数十ナノメートルのMOSFETを形成するためのプラズマエッチング技術を確立することを目指している。プラズマエッチングでは、多くの場合、非加工物にハロゲン(塩素やフッ素など)を作用させ、揮発物質を生成することによりエッチングを実現している。本研究では、産業分野において扱いやすいと予想されるフルオロカーボンガスを用いてHfO_2基板を加工した。また、ガスに含まれる炭素種の表面反応を理解するために、ダイヤモンド状炭素(DLC)基板表面におけるエッチング反応の解析も行った。 CF_4/O_2/ArプラズマによるHfO_2エッチングの特性においては、SiO_2のそれと類似する点があり、CF_4/Arプラズマにおけるエッチング速度を上回る条件が存在することから、炭素や酸素を含む粒子のHfO_2エッチングへの寄与が示唆された。また、DLCのエッチング速度はO_2流量に比例して増大し、DLCは酸素と反応してCO、CO_2、COF_2といった揮発性の高い反応生成物を形成すると考えられる。これまでに、SiやSiO_2上に炭素膜が堆積しながらもHfO_2がエッチングされる条件が多く見いだされているが、この検証のためにCOプラズマによるエッチングも行った。現時点では双方の基板に対して、Arのスパッタ速度よりも低いエッチング速度しか得られておらず、炭素種単独でエッチング反応が進行することはないと思われる。Hfなどの遷移金属と炭素との反応は興味深く、Si基板に対するHfO_2の選択エッチングを実現する上で有用な化学反応である。今後、この反応についてさらに理解を深め、高度なエッチングプロセス制御のための知見を得たいと考えている。
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Research Products
(3 results)