2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代半導体プラズマエッチングプロセスのための遷移金属炭化反応の解明と制御
Project/Area Number |
20760023
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 和生 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (50335189)
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Keywords | プラズマプロセス / プラズマ加工 / エッチング / ナノデバイス |
Research Abstract |
次世代超大規模集積回路(ULSI)におけるゲート絶縁膜材料として有望視されている酸化ハフニウム(HfO_2)に注目し、ゲート幅が数十ナノメートルのMOSFETを形成するためのプラズマエッチング技術を確立することを目指している。プラズマエッチングでは、多くの場合、非加工物にハロゲン(塩素やフッ素など)を作用させ、揮発物質を生成することによりエッチングを実現している。本研究では、産業分野において扱いやすいと予想されるフルオロカーボンガスを用いてHfO_2基板を加工した。 エッチングガスにはCF_4/Arを用い、COおよびH_2を添加した。これはCOを添加することにより、あるいはH_2添加の結果得られるFの引き抜き効果により、気相中に炭素が豊富になることを期待したものである。[H_2]/[CF_4]流量比を増加させるとSiおよびSiO_2のエッチレートは減少するのに対して、HfO_2のエッチレートはわずかに増加する傾向が確認された。この状況では、H_2を添加することで、CF_4からFが引き抜かれ炭素が豊富になり、Hfの炭化物を生成物としてHfO_2がエッチングされていると解釈できる。 HfO_2のような遷移金属の用途がゲートのみならず記憶素子、あらゆる電極、バリアなどへと広げられる状況から、遷移金属材料のエッチング反応の理解はますます重要になると考えられる。Hf系材料の形成プロセスでは、有機金属錯体等の炭素を含む原料が多く使われており、エッチングにおいて遷移金属を錯体様の物質へと還元する反応過程が存在することに期待したい。今後、この反応についてさらに理解を深め、高度なエッチングプロセス制御のための知見を得たいと考えている。
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Research Products
(4 results)