2008 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力顕微鏡によるTiO2(110)表面の触媒反応場の制御と評価
Project/Area Number |
20760024
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 宜昭 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特任講師 (00432518)
|
Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 / 二酸化チタン / 原子間力顕微鏡 / 原子操作 |
Research Abstract |
1. イオンスパッタとアニールのサイクルを繰り返すことによってルチル型TiO2(110)表面を再現性よく作製する条件を解明し、原子間力顕微鏡で表面観察を行った。そして、探針先端の状態によって、少なくとも3種類の画像コントラストが得られた。また、表面には水酸基が多く存在し、室温において熱拡散することが分かった。 2. 原子間力顕微鏡の探針先端の原子と試料原子との交換に基づく新しい原子操作である交換型垂直原子操作の機構解明を行った具体的には、第1原理計算で理論シミュレーションを行い、実験との比較研究を行った。その結果、探針先端と試料表面原子が交換する瞬間にダイマー状態になることや、熱によるダイマーのフリップフロップ運動が原子交換に影響を与えることなどについて重要な知見が得られた。 3. Si(111)-(7×7)表面のSiアドアトムを隣接する空孔へ水平原子操作する際の確率を定量的に測定した。これにより、室温で行う水平原子操作の温度効果の検証を行った。さらに、この実験により、探針先端の非対称性が原子操作の確率に影響を与えること、Siアドアトムの吸着サイトが原子操作の行いやすさに関連していることを明らかにした。 4. Si, Sn, Pbが混在した半導体表面で、原子間力顕微鏡のフォース・マッピング法によって、相互作用力場を測定し、原子識別する技術を開発した。さらに、この技術を発展させ、表面原子の区別を効率的に高速に行える方法の開発に成功した。
|