2009 Fiscal Year Annual Research Report
数サイクル光パルスによる非線形顕微分光イメージング
Project/Area Number |
20760036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小関 泰之 Osaka University, 工学研究科, 助教 (60437374)
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Keywords | 非線形光学顕微鏡 / 超短光パルス / 誘導パラメトリック発光 / 分子イメージング / 誘導ラマン散乱 |
Research Abstract |
生細胞内部を低侵襲に3次元可視化する技術の開発は,生命機能の解明に極めて有用である.非線形光学顕微鏡は,生体可視化のための有力な手法と認識されつつあり,2光子励起蛍光顕微鏡やコヒーレント反ストークスラマン散乱顕微鏡(CARS)など,様々なコントラスト機構に基づく方式が開発されている.我々は,非線形光学顕微鏡の一方式として,電子由来の4光波混合過程を利用した誘導パラメトリック発光(stimulated parametric emission : SPE)顕微鏡や、高コントラストかつ高感度な分子振動イメージングの可能なSRS顕微鏡を提案している. 本年度は、SRS顕微鏡のためのレーザー制御技術の開発及びSPE顕微鏡のアプリケーション探索を行った。SRS顕微鏡の光源の波長可変性を高めるため、チタンサファイアレーザーとYbファイバーレーザーを同期させるシステムの構築に取り組んだ。高周波ICによる位相比較器とピエゾステージを用いてピコ秒オーダーのジッター性能が得られることを確認した。また、SPE顕微鏡を用いて様々な生体組織の観察を進めた結果、赤血球や花弁組織において強いSPE信号が得られることがわかり、無染色生体の観察法としてのSPE顕微鏡の有用性を実証できた。
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