2009 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒整形光パルス列を用いた高選択的励起・脱励起イメージング
Project/Area Number |
20760037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 亮介 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (70379147)
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Keywords | 超短光パルス / パルス整形 / 蛍光イメージング / 誘導放出 / 成分分離 |
Research Abstract |
本研究は、細胞内や細胞外マトリックスにおける多数の蛍光種(自家蛍光、蛍光プローブなど)から、特定成分の蛍光像を選択的に増幅・抑制する手法開発を目的としている。本手法は、多色のフェムト秒パルス列を用いることで、波長・タイミング選択的に特定成分の励起・脱励起(誘導放出)・再励起を行う。さらに、チャープやパルス列などの波形整形を施すことで、各蛍光種固有の振動状態(電子系との相互作用、非調和性)を利用する。昨年度は、マルチカラー・マルチパルス光の光源として、非同軸光パラメトリック増幅器(NOPA)の製作、二次元空間位相変調器を用いた波形整形システムの構築を行った。結果、450~1700nmの広帯域な範囲内での任意のパルス列(パルス幅は約20フェムト秒)を生成することが可能となった。 まず、一般的な蛍光プローブを用いて、蛍光スペクトル・強度の脱励起光効果を詳細に検証した。励起光と脱励起光の各波長・タイミングの適切な組み合わせによって、振動励起状態からの脱励起を選択的に生じさせることが可能であることを示した。また、電子励起状態における振動周波数に同期したパルス列を第二励起光として用いることで、電子励起状態での選択的振動励起が行えることを実証した。また、単一の蛍光プローブだけでなく、異種分子間で共鳴励起エネルギー移動(FRET)が存在する系において、アクセプター分子に対して光変調することで、エネルギー移動過程が抑制されることを示した。
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