2009 Fiscal Year Annual Research Report
通信波長帯ギガヘルツ繰り返し単一光子検出器の開発と量子鍵配送への応用
Project/Area Number |
20760038
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
行方 直人 Nihon University, 理工学部, 助手 (20453912)
|
Keywords | なだれフォトダイオード / 正弦電圧ゲート動作 / 量子鍵配送 |
Research Abstract |
都市圏量子鍵配送の実現に向けて、高速、高効率かつ低暗計数を有する通信波長帯用(1550nm帯)単一光子検出器の研究開発を行った。 前年度の成果から、2GHzの繰り返し動作が可能であることが示唆されたが、本年度の実験において、実際に2GHz動作が可能であることを実証した。この繰り返し速度は、InGaAs/InPなだれフォトダイオードを用いた通信波長帯単一光子検出器においては世界最速記録となる。 また、検出効率10%、暗計数確率6×10^<-7>を得ており、本検出器の信号雑音比(S/N)比は従来の通信波長帯光子検出器においては世界最高クラスである。以上のように、今回開発した光子検出器は実用的な半導体ベースの単一光子検出器ながら、高い性能指数を有することを明らかとした。 開発した高速単一光子検出器を量子もつれ配送実験に応用した。タイプII型の周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路から発生する通信波長帯直交偏光量子もつれ光子対を開発した単一光子検出器を使用して測定し、高純度量子もつれ状態の共有実験に成功した。ここで、純度の評価は光子検出器の不完全性の補正は一切行っていない。また、10.5kmの分散シフトファイバーを通した長距離量子もつれ配送実験も行い、量子もつれ純度を劣化させることなく伝送する実験にも成功した。本成果は、量子もつれを利用した長距離量子鍵配送(BBM92プロトコル)への重要な足がかりとなる。
|
Research Products
(8 results)