2008 Fiscal Year Annual Research Report
高効率太陽光励起ファイバレーザ用の新規なガラス媒質の研究
Project/Area Number |
20760039
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
鈴木 健伸 Toyota Technological Institute, 大学院・工学研究科, 准教授 (60367828)
|
Keywords | 太陽光励起レーザ / 光ファイバ / ガラス媒質 / 量子効率 |
Research Abstract |
本年度は, ファイバを作製する前の段階としてガラス材料の基礎的な特性を明らかにすることを目的として研究を行った. ガラス系としては, 当初の計画のCr-Nd添加シリケート系ガラス, Cr-Nd共添加透明結晶化ガラスだけでなく, Nd添加テルライトガラスについても検討を行った. 太陽光をより効率的に吸収させる目的で添加したCrは太陽光を吸収するのには有効に働くもののNdへのエネルギー移動効率が不十分であり, 期待したほどの増感効果は得られなかった. ただし, 量子効率の詳細な検討によってCr単独添加の量子効率が高いガラス系ほどエネルギー移動が効率的に生じるという材料選択の指針となる知見を得たので, 次年度以降に別組成のガラスへ展開する. これまで研究されてきた結晶と異なりNd自身の吸収がブロードであること, また, 本研究の最終ターゲットが光ファイバであるため太陽光と媒質の作用長を長く取ることができるため, ガラス系の選択により増感イオンを用いなくてもNd単独で効率的に太陽光を吸収することが可能であることを見出した. また, 実太陽光を用いた量子効率測定系を構築し, これまで報告例がない実際の太陽を用いた発光の量子効率の測定を可能にした. 加えて, 太陽光と類似のスペクトルを有するフィルター付きのランプからなる光源を用いた量子効率の測定との比較により,擬似的太陽光源でもほぼ定量的に太陽光と一致する量子効率が得られることを見出した.
|
Research Products
(6 results)