2010 Fiscal Year Annual Research Report
高効率太陽光励起ファイバレーザ用の新規なガラス媒質の研究
Project/Area Number |
20760039
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
鈴木 健伸 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60367828)
|
Keywords | 太陽光励起レーザ / 光ファイバ / ガラス媒質 / 量子効率 |
Research Abstract |
高効率の太陽光励起ファイバレーザの実現を目指して,Nd添加ガラスレーザ媒体についてファイバレーザの設計上必要な物性値の測定を行い,太陽光励起ファイバレーザの実現性を評価する目的で数値計算をおこなった.太陽光に対する発光の量子効率はフナノンエネルギーが低くかつ太陽光スペクトルの波長域で透過率の高いフッ化物ガラスが高い.また,テルライトガラスは透過波長域はやや狭いもののNdの積分吸収強度が非常に高い.これらのガラスについては吸収断面積と発光寿命の積で表されるレーザ性能指数もシリカガラスより優れており,太陽光励起ファイバレーザ用のガラス媒質として期待できることが明らかになった.これらのガラス媒質について,ダブルクラッド構造のファイバを想定し,片方の端面から集光した太陽光を入射するというモデルについて,実測の物性値を使い,詳細な数値解析を行った.コア径5ミクロン程庶で,内部クラッド径が200-600ミクロンのファイバを用いるとおよそ200-350倍程度の集光倍率でレーザ発振が始まり,スロープ効率は0.5-1%程度であることを明らかにした.このような集光倍率はレンズやミラーなどの既存の光学系で容易に得られるものであり,ファイバレーザがバルクレーザよりも簡易な光学系でのレーザ発振が可能であることが示唆された.フッ化物およびテルライトガラスについてファイバレーザを試作し,ファイバブラッググレーティング両端に配置してレーザ発振の実験を行ったが,レーザ発振には至らなかった.共振器内の光損失が高いことが原因であると考えられ,損失を低下させることで太陽光励起ファイバレーザが実現できるものとの指針を得た.
|
Research Products
(19 results)