2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760045
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 理 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特任研究員 (00397291)
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Keywords | 電磁表面波 / 周期構造 / 遅波 / 発振器 |
Research Abstract |
アルミ板を切削して作製したコルゲート板上で、X-BANDの電磁波モードの伝送を確認した。この共振器を発振器とするために、真空容器やビームガイド用の磁場コイルを作製した。 計算で求めた伝送モードの存在を確認するため、分散式の計算により求めた、伝送モードの上限周波数付近の伝送特性を調べた。この周期構造では、伝送上限周波数は9.7GHzとなる。送受信アンテナには、長さ7.5mmの針アンテナを用いた。1/4波長となる周波数は10GHzである。コルゲートの波高7mmをやや越える。シグナルジェネレータで信号を送り、スペクトラムアナライザーとパワーメータを用いて、伝送特性を調べた。 電磁表面波は、周期構造を利用し伝送するため、コルゲートを乗り越える方向へ伝送する。送信アンテナに対し、コルゲートを乗り越える方向とコルゲートに沿った方向に受信アンテナを、それぞれ80mmと20mm離して設置し、計測を行った。コルゲートを乗り越える方向への電磁表面波の伝送電力は最大となる9.60GHzに対し、9.65GHzでは3.5dB、9.71GHzでは21dB減衰した。送信電力をモニタするコルゲートに沿った方向に設置したアンテナは9.71GHzで最大電力を示した。また、コルゲートの途中を平板とすると、伝送電力は10dB以上減衰する。この結果、コルゲートを乗り越える方向には、計算とほぼ一致する、9.60GHz付近を上限周波数とする電磁波モードが存在することが示された。 伝送試験では、コルゲートの両側(電磁表面波の伝送方向と並行となる両辺)を電磁波吸収材で覆う必要があることがわかった。吸収材がない場合、上限周波数を超えても、伝送電力は減衰しない。計算と異なり、コルゲート板の端で、電磁波が折り返されることにより、他のモードが励起されているためと推察される。 分散式の計算により示された電磁表面を、実験的に確認し、計算結果とよく一致する実験結果を得た。コルゲート板の表面近傍に電子ビームを通過させれば、ビーム電圧に応じた発振が得られる事が推察される。
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Research Products
(2 results)