2008 Fiscal Year Annual Research Report
三次元臭化タリウム検出器を用いた次世代PETモジュールの開発
Project/Area Number |
20760048
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
人見 啓太朗 Tohoku Institute of Technology, 工学部, 講師 (60382660)
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Keywords | 臭化タリウム / ガンマ線検出器 / 位置検出器 / ピクセル型検出器 / 半導体検出器 / 化合物半導体 / PET |
Research Abstract |
ガンマ線の相互作用位置情報を三次元で検出できる三次元臭化タリウム検出器をPET (Positron Emission Tomography)へ応用するため、検出器の製作、開発、評価を行った。三次元臭化タリウム検出器は662keVのガンマ線に対して1%という高いエネルギー分解能を示すが、PETで重要となる時間分解能については報告が少なく、評価が必要であった。本研究では1mm厚の並行平板型の臭化タリウム検出器を製作し、時間分解能の測定を行った。BaF_2シンチレーション検出器とコインシデンスタイミング測定を行い、約30nsの時間分解能を得た。検出器の冷却、電極構造の工夫により更なる時間分解能の改善が見込めるという知見が得られた。また、両面電極を短冊状にしたストリップ型三次元検出器の開発を行った。三次元検出器は通常、電極を分割したピクセル電極を用い、それぞれの電極信号から位置情報、エネルギー情報、時間情報を得る。この場合、各ピクセルに読み出し回路を接続するため、PETなど多数の検出器を必要とする装置への応用が比較的困難である。ストリップ型検出器の場合、両面に配置された電極からx方向、y方向の情報を得て後段の回路で信号処理を行うことにより、読み出し回路数を飛躍的に少なくすることができる。本研究ではストリップ型三次元TIBrを製作し、122keVのガンマ線に対して4.9%のエネルギー分解能を得ることに成功した。本研究では、臭化タリウム検出器が比較的高い時間分解能を示し、ストリップ型としても性能に遜色がなく、PET用センサーとして実用化が可能であることを見出した。
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Research Products
(10 results)