2009 Fiscal Year Annual Research Report
三次元臭化タリウム検出器を用いた次世代PETモジュールの開発
Project/Area Number |
20760048
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
人見 啓太朗 Tohoku University, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 准教授 (60382660)
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Keywords | 臭化タリウム / ガンマ線検出器 / 位置検出器 / ストリップ型検出器 / 半導体検出器 / 化合物半導体 / PET |
Research Abstract |
臭化タリウム(T1Br)検出器を用いた次世代の超高効率、高空間分解能PET開発の基礎研究を行った。PET用の検出器には高い時間分解能が要求される。前年度までの研究ではT1Br検出器とBaF_2シンチレーション検出器によるコインシデンスタイミング測定を行い、約30nsの時間分解能を得た。しかし、PETにはより高い時間分解能が求められるため、時間分解能の改善を行った。検出器に印加可能な電圧を増加させると、検出器の信号立ち上がり時間が早くなるため時間分解能が改善する。これまではT1Br検出器に200V程度の電圧しか印加できなかったが、検出器上に形成する電極の蒸着条件の最適化を図ることにより、500Vまで印加電圧を引き上げることに成功した。その結果、エネルギーウインドウ250keV-550keVでBaF_2検出器とのコインシデンスにより平行平板型、厚さ1mmのT1Br検出器から21nsの時間分解能を得ることができた。また、平行平板型の検出器中でのガンマ線の相互作用位置を速い波形整形信号と遅い波形整形信号の比を取ることにより決定し、検出器のエネルギー分解能の改善が可能であることを見出した。また、この手法を時間分解能測定に応用することにより時間分解能が改善可能であるという知見を得た。また、厚さ1mmのT1Br結晶に長さ3.5mm、幅0.8mmの短冊状電極を4つ配したストリップ型検出器を作成した。この検出器は511keVのガンマ線に対して7%のエネルギー分解能を示した。このストリップ検出器は良好な位置分解能、エネルギー分解能、時間分解能を示した。このT1Brストリップ検出器を円状に配置することによりPETガントリーが形成できる可能性を見出した。
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Research Products
(9 results)