2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760049
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
細田 真妃子 Tokyo Denki University, 理工学部, 講師 (40366406)
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Keywords | 電界ピンセット / 液体表面 / 粘性 / 非接触 / 共鳴現象 / 高圧電場 / スペクトロスコピー / 流体運動 |
Research Abstract |
【電界ピンセットシステムの高性能化】電界ピンセット装置による液体表面の物性測定法を開発した。通常の表面観察装置ではプローブで構造を破壊するおそれがあるため、表面直上に高圧電場を印加し表面を変形させる。これにより非接触での表面張力測定が可能になったが、低粘性物質に対しては表面波が生成され、粘性の測定が困難であった。そこで今回、毛細管端面の表面共鳴現象を利用することにより、表面張力ならびに粘性の測定精度を大幅に向上させることに成功した。直径1mm程度の毛細管内で電界ピックアップにより表面に周期的応力を与えると、ある周波数において共鳴現象を示す。その周波数より液体試料の表面張力が、またピーク幅から粘性が求められる。結果として、微小な領域の表面張力と粘性の精密測定が可能になった。自由表面近傍において円筒形の領域流体の運動を計算する。境界条件として固体壁において流体速度が0、また平衡状態における表面の接触角度はπ, 2とおく。まず流体の粘性を無視して、表面の振動の固有モードを計算する。さらに固有モードの1周期あたりのエネルギー散逸を計算して振動の減衰係数を求める。この装置は表面の振動の周波数スペクトルを測定することにより流体運動を観測するものであり、それは共鳴振動の固有振動数と、その減衰によって得ることができる。実験は粘性1[Pa・s]、直径1[mm]のシリコンオイルと純水で行った。シリコンオイルは比較的理論値と一致した値が測定されたが純水表面においては誤差が大きく出た。これは試料セルとの接触角の決定によるものと見られ、液体表面形状のより正確な微細な観察が必要であることが分かった。
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