2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760049
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
細田 真妃子 Tokyo Denki University, 理工学部, 講師 (40366406)
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Keywords | 電場ピックアップ / 液膜の振動モード / DLVO相互作用 |
Research Abstract |
今年度は、電場ピックアップ法により液膜の振動モードを制御することによって、液膜のDLVO相互作用の測定を試みた。具体的には、DLVO相互作用の情報を含むSモードの時定数と、Bモードの分散関係から求める膜厚とからDLVO相互作用を得ようというものである。液膜の振動は、膜の面に垂直な方向に対する対称性から、SモードとBモードの二つの振動モードに大別できる。Sモードは両面が反対方向に変位するモードで、Bモードは両面とも同じ方向に変位するモードである。電場ピックアップ法を用いれば、電極針の配置を変えることによって液膜の面に対する印加電場の対称性をコントロールすることができる。すると、針を非対称に配置してBモードを、また針を一直線上に配置してSモードを選択的に励起することができると考えられる。そうすれば、Bモードの分散関係から膜厚を求め、膜厚の測定値とSモードの変形の時定数からDLVO相互作用を求めることが可能である。 結果としては、まず電場を印加しない場合の液膜の振動はBモードが支配的であることがわかった。 次に、電極針を液膜表面に対して非対称に配置することでBモードを、垂直な一直線上に配置することでSモードも励振することができた。その結果、Sモードの時定数を測定することができた。しかし、Bモードの分散関係測定は成功しなかった。これは、不安定な厚い膜を測定しようとして渦が生じたことが原因である。その結果、DLVO相互作用の測定には至らなかった。 一方、Sモードの時定数からは、干渉縞が見える比較的厚い液膜の厚さを大まかに見積もることができた。ただし、正確な膜厚の測定には、やはりBモードの分散関係測定が必要である。
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