2008 Fiscal Year Annual Research Report
マルチユーザー通信システムに対する最適化手法の応用
Project/Area Number |
20760056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 俊介 Kyoto University, 情報学研究科, 助教 (20444482)
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Keywords | 数理工学 / 情報システム / 最適化 / 半無限計画 / マルチユーザー通信 |
Research Abstract |
マルチユーザー通信システム(複数のユーザーが同一の周波数帯で同時に通信を行うようなシステム)の顕著な例として, デジタル加入者線(Digital Subscriber Line : DSL)や無線通信などが知られているが, これらの通信管理方式として, 動的スペクトル管理(Dynamic Spectrum Management : DSM)方式が近年注目を集めている. このDSM方式を用いることにより, ユーザーの得られるデータレートを飛躍的に向上させることが期待される. しかし, この方式では, クロストークとよばれる他のユーザーの信号による電磁干渉の影響が無視できない. したがって, クロストークの影響を軽減し, すべてのユーザーが高いデータレートを得られるようなスペクトル配分を考えることが重要である. そこで, 本研究では, 最適化の理論および技術を駆使し, 各ユーザーの得られるデータレートを向上させるようなアルゴリズムを開発することを目指してきた. 本年度の実績としてまず挙げられるのが, 投稿論文がIEEE Transaction on Information Theoryという世界的にも権威のある論文誌に2009年3月に掲載されるに至ったことである. 実際に投稿したのは2006年であったが, 採録が決定されるまで3度もの査読および修正を経る必要があった. しかし, その度に新たな成果を得ることができたので, それらを学会等で逐次的に発表していった. また, 本論文にも記述したように, この種の問題には未解決の問題も多く, 定式化も完全とは言えない. そこで, 特に定式化の不完全性を補うべく, 半無限計画問題に関する研究を進めてきた. これについても幾つかの結果を得, それらを学会等で発表した.
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Research Products
(8 results)