2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルチユーザー通信システムに対する最適化手法の応用
Project/Area Number |
20760056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 俊介 Kyoto University, 情報学研究科, 助教 (20444482)
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Keywords | 数理工学 / 情報システム / 最適化 / 半無限計画 / マルチユーザー通信 |
Research Abstract |
デジタル加入者線(Digital Subscriber Line : DSL)やコグニティブ無線(Cognitive Radio)など,マルチユーザー通信システム(複数のユーザーが同一の周波数帯で同時に通信を行うようなシステム)は多くの応用をもつことが知られている.このようなシステムの通信管理方式として,動的スペクトル管理(Dynamic Spectrum Management : DSM)方式が有名であり,それを用いることにより,ユーザーの得られるデータレートを飛躍的に向上させることが期待される.本研究では,このようなDSM通信方式に対して,最適化の理論および技術を駆使し,各ユーザーの得られるデータレートを向上させるようなアルゴリズムを開発することを目指してきた. 本年度の実績としてまず挙げられるのが,日本オペレーションズ・リサーチ学会から文献賞奨励賞を頂いたことである.この賞は,2009年3月にIEEE Transaction on Information Theoryに掲載されたマルチユーザー通信システムに関する論文が評価されたものである.また,SIAM Journal on Optimizationという最適化の分野で最高峰とされるジャーナルに論文が掲載されたことも特筆すべき成果の一つである.実際,この論文は半無限計画問題を取り扱ったものであり,具体的にマルチユーザー通信システムを対象としたものではない.しかし,マルチユーザー通信システムは本来無限次元の変数をもつ最適化問題であり,その双対問題は半無限計画問題として定式化できるため,半無限計画の研究はマルチユーザー通信システムの解析に大変有用なツールになることが期待できる.また,これらに挙げた成果の他にも,学会等で口頭発表を行い,多くの知見を得ることができた.
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Research Products
(9 results)