2008 Fiscal Year Annual Research Report
電磁超音波・非線形渦電流マルチセンサによる高クロム鋼のクリープ損傷劣化診断
Project/Area Number |
20760062
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内一 哲哉 Tohoku University, 流体科学研究所, 准教授 (70313038)
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Keywords | 改良9Cr1Mo鋼 / クリープ損傷評価 / マルチセンサ / 非線形渦電流試験 / 電磁超音波試験 / 転位 |
Research Abstract |
本研究では改良9Cr1Mo鋼のクリープ損傷について、微視的損傷過程を新しい概念のセンサである電磁超音波・非線形渦電流マルチセンサを用いて定量的に評価することを目的とする。このために、下記の内容について明らかにする。 1)クリープ試料の音響特性・電磁特性評価 クリープ損傷に伴う転位、サブグレイン、析出物に伴う、電磁気特性評価、音響特性評価について定量的又は定性的な評価を行った。具体的には、転位およびサブグレインの構造については、X線回折に基づく定量的評価を行った。析出物については、SEM観察を行い、SEM画像の画像処理を行い、析出物の析出・粗大化について定量的な評価を行った。転位と析出物の影響を明らかにするために、クリープ試験片、熱時効試験片、引張り試験片について検討し、転位、サブグレイン、析出物と電磁気特性、音響特性との間の関係を示した。特に、周波数特性に着目し、磁壁と転位-析出物-ボイドといった様々なスケールで分布する組織の不均質因子との相互作用に関する考察とモデル化を行った。その結果、磁気パラメータの周波数特性に着目することにより転位と析出物の評価が可能であるとの新しい知見を得た。 2)電磁超音波・非線形渦電流マルチセンサの構造の検討と試作 超音波のモード、周波数、強度や、交流磁化特性の周波数を考慮して、電磁超音波・非線形渦電流マルチセンサの構造を検討し、コイル及び磁石の構造を決定し、マルチセンサの試作を行った。さらに、代表的なクリープ試験片を選び、測定を行い、その基本特性評価を行った。
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