2008 Fiscal Year Annual Research Report
高温設備における材料損傷の定量計測および常時監視システムの構築
Project/Area Number |
20760066
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
明松 圭昭 Niihama National College of Technology, 機械工学科, 助教 (20396766)
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Keywords | 非破壊検査 / 打音検査 / 光ファイバ振動センサ / アコースティックエミッション |
Research Abstract |
本研究の目的は光ファイバ振動センサを用いた高温構造物の板厚、欠陥形状(特定部位)の定量計測を行い、同時に常時監視(ヘルスモニタリング)を1本の光ファイバで行うことである。本年度は数100μm単位の板厚計測の可能性を光ファイバ振動センサで計測される信号と有限要素法を用いた数値解析結果を比較することで調査した。またスリット欠陥を有する試験片を作製し、スリット深さ、スリット幅およびスリット長さが数100μm単位で計測可能かを調査した。その結果、500μmの板厚変化が計測可能であった。また数100μm単位で変化させた欠陥形状の異なる試験片で計測される弾性波と有限要素法を用いた数値解析結果に相関関係が認められた。よって板厚の定量計測および欠陥形状推定が可能であることが明らかになった。本結果の一部は、2008年12月9日-12日に開催された国際会議(The 19th International Acoustic Emission Symposium)にて講演発表を行った。これらの成果により、平成20年度の目標である『常温環境下で板厚、欠陥形状を定量計測する』ことはほぼ達成できた。今後、数100度の高温環境下で板厚、欠陥形状計測するシステムを製作し平成22年3月までに実験で計測される弾性波信号と数値解析により得られる弾性波信号を比較することで高温設備検査の可能性を評価する予定である。さらに高温設備の材料損傷計測のほかに、作製したシステムにおけるヘルスモニタリングの可能性を確認する予定である。これらの研究が完了すれば、高温設備を停止することなく危険部位の特定、保守作業の見積が可能になると考えられる。つまりタイムベースメンテナンス(定期検査)からコンディションベースメンテナンス(状態を常時監視)に置換わることが期待される。
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