2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己き裂治癒能力の応用による構造用セラミックスの接触強度特性向上
Project/Area Number |
20760067
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高橋 宏治 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 准教授 (90334630)
|
Keywords | セラミックス / 自己き裂治癒 / 接触強度 / 球圧子押込み試験 / アコースティックエミッション / ワイブル分布 |
Research Abstract |
セラミックスは、優れた耐摩耗性を有するため、ベアリングなどの摺動部材として用いられている。また、耐酸化性や優れた高温強度を有しているためガスタービンなどの高温構造用部材としても期待されている。しかし、脆性材料であるため、破壊靭性値が低いという欠点を持つ。特に、接触領域においては応力が集中的に作用するため、き裂が発生すると急速破断に至る危険性を有している。そのため、局所的な接触応力下における信頼性向上に対する要望が高い。それに対して、セラミックスが有する自己き裂治癒能力は極めて有効であると考えられる。 本研究では、セラミックスの接触強度特性に対する自己き裂治癒の効果を調査することを目的とする。本年度は、接触強度に対するき裂治癒効果を評価するための実験方法を構築することを目標とした。まず、アコースティックエミッション(AE)を併用した球圧子押込み試験方法を構築し実験を行った。様々な加工条件で試験片を機械加工した後、一部の試験片についてはき裂治癒を施した後に接触強度のワイブル分布を評価した。その結果、高効率な機械加工により、表面にき裂が多く生じても、最表面の粗さのみ取り除けば、き裂治癒能力を活用することで、高い接触強度を達成できることがわかった。この結果は、セラミックス部材の、製造コスト削減や、信頼性向上に繋がるものである。
|