2009 Fiscal Year Annual Research Report
統計学を利用した電子後方散乱回折による疲労損傷の定量評価システムの構築
Project/Area Number |
20760073
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
黒田 雅利 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (00432998)
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Keywords | 疲労 / 原子力材料 / 電子後方散乱回折 |
Research Abstract |
電子後方散乱回折(electron backscatter diffraction、以後EBSD)を用いて塑性ひずみを検出する試みに関しては、これまで様々な評価パラメータが提案されている。しかしながら、どのパラメータが最適であるかについて詳細に検討した研究例はほとんど見当たらないようである。また、EBSDを利用した疲労損傷評価に関する研究は、まだ報告例が数少ないのが現状である。そこで本研究では、様々な統計的手法を導入することにより疲労損傷度を定量的に評価することが可能となる手法を考案し、その手法の妥当性について従来までに提案されている評価パラメータと比較の上検討することを最終目的とする。得られた主な成果を以下にまとめる。 (1) これまで塑性ひずみを定量化するためのパラメータとして提案されている結晶変形量を基に、結晶粒界に面する方位データのみを考慮した新たなパラメータ(粒界結晶変形量)を考案し、疲労試験結果に対してその適用性を検討した。その結果、比較的高い応力振幅を負荷した疲労試験片において、粒界結晶変形量は疲労損傷度評価に対して有効なパラメータであることを示した。 (2) EBSDデータの解析結果に基づき結晶粒と定義されたデータ点範囲(結晶粒サイズと定義)に着目した新たなパラメータを考案し、疲労試験結果に対してその適用性について検討を行った。その結果、結晶粒サイズは疲労損傷度を定量的に評価できる見込みのあるパラメータであることを示した。
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Research Products
(2 results)