2009 Fiscal Year Annual Research Report
高次構造制御による生体吸収性プラスチック複合材料の高性能化
Project/Area Number |
20760074
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小林 訓史 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (80326016)
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Keywords | 生体吸収性プラスチック / ポリL乳酸 / 生体吸収性複合材料 / 高次構造 / 結晶化 / 配向 / マイクロメカニックス / 損傷力学 |
Research Abstract |
本研究では,ポリ乳酸(PLA)に熱処理や鍛造などを施すことにより高次構造を制御し,PLAで実用的な機械的特性を持った生体吸収性骨接合用スクリューの製作を目標としている. スクリューの成形についてはガラス転移温度以上の70℃及び100℃の両試験温度にて鍛造を行うことにより,非常に良好なスクリューが成形可能であることを示した.しかし,治具の構造上バリが生成してしまい,スクリューとして扱うためにはダイス加工が必要であった. スクリューの引き抜き試験を行い引き抜き強度を測定したところ,70℃で鍛造もしくは切削加工したものの方が引き抜き強度が高いと言う結果が得られた.鍛造と切削加工を比較すると,70℃では鍛造スクリューが,100℃では切削加工スクリューの方が高いと言う結果となった.しかし,100℃のものでも最大強度値は鍛造スクリューの方が高い結果を示しており,両試験温度での鍛造の有用性が示された.また,一部試験片がスクリューが引き抜かれる前に引張破断した.これは引き抜き強度のばらつきが大きく,スクリューの引張強度以上の引き抜き強度を持つスクリューも存在した,または,応力がねじ山に集中せずに破断したなどの原因が考えられる. スクリューの半径方向せん断試験も行った.加工温度間の比較では,引き抜き強度と同じく,概して70℃の方が強度が高いと言う結果が得られた.切削加工スクリューと鍛造スクリューに関しては両試験温度共に鍛造スクリューの方が高いと言う結果となった.また,比較のために行った鋳造により作製したスクリューは鍛造・切削加工スクリューよりもはるかに低い強度を示し,鍛造の有用性が示された.
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Research Products
(2 results)