2008 Fiscal Year Annual Research Report
同時多軸制御加工の高速・高能率化を目的とした工具姿勢決定法の開発
Project/Area Number |
20760080
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
金子 順一 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 助教 (80375584)
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Keywords | 同時5軸制御加工 / CAM / 工具姿勢 / 干渉回避 / グラフィックスハードウェア / GPU / GPGPU / M-Map |
Research Abstract |
平成20年度は、年度の前半にまず「2次元直交座標系上の工具非干渉領域における直動軸駆動量導出システムの開発」について研究を行い、高速な処理システム構築のための基盤的アルゴリズムの開発に成功した。これは、グラフィックスハードウェア(GPU)として知られるコンピュータグラフィックス描画用デバイスが持つ並列演算の機能を用いて、工具軸と被削物との干渉検出およびポスト処理を行うものである。グラフィックスハードウェアの利用により、加工を実施する際に必要とされる実加工時間よりも短い時間内に工具が通過する各点における直動軸駆動位置と干渉状態の可視化が実現する。本成果により工作機械の有する旋回軸の座標値を陽に参照して干渉の回避を行うことが可能となった。 平成20年度の後半には、上記の手法の開発を受けて「複数の工具刃先位置における駆動状態を参照した工具姿勢決定システムの開発」について検討を開始した。これは工具経路全体において、旋回軸への指令値を連続的に変化させ、工具軸と被削物との干渉が生じない工具姿勢変化を現実的な時間内に検討する姿勢決定アルゴリズムの実現を目的としている。20年度内は、ある一定の工具経路区間において旋回軸に作用する加速度がもっとも小さくなる姿勢変化を、グラフィックハードウェアのテクスチャ参照機能を用いて短時間で検索する工具姿勢決定手法の検討と開発を行った。これはグラフィックハードウェアの有するテクスチャ演算機能と透過処理機能を用いて干渉の生じない工具姿勢変化の状態を高速に可視化するものである。本手法の適用により、異なる初期姿勢から開始される複数の工具姿勢変化の候補に対して、経路中に存在する多数の工具刃先位置における工具干渉の有無と加工時に発生する最大加速度を一回の描画結果から比較し、工具姿勢変化を選択的に決定することが可能となっている。
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Research Products
(2 results)