Research Abstract |
本研究では, 高価な設備や作業者の知識を必要とせずシステマティックにびびり振動の回避を実現する手法の提案と, これを実行する次世代工作機械の開発を目的としている. これを実現するためには, びびり振動における振動発生メカニズムとびびり振動周波数の特徴に着目し, 加工中に計測されるびびり振動の測定信号を利用して, まず, びびり振動の種類を判別し, それに基づいて適切な加工条件を推定する必要がある. そこで, さまざまな実験条件において評価を行い, 一部の加工条件を除くと, 大まかに振動の測定信号からそのびびり振動の種類を判別することができ, 適切な条件を推定し得ることを確認した. また, 測定の手段として加速度センサやマイクロフォン, 渦電流変位計などが有効であることを確認した. その一方で, 自励型びびり振動の場合には, 半径方向切込みや主軸回転数が小さい条件などでは判別が難しく, これに起因してびびり振動を回避する主軸回転数条件の推定精度が低下してしまう場合があることを確認した. このため, 実験結果と安定限界解析の比較を詳細に行い, そのメカニズムについて検討を行った. また, 自励型びびり振動に関するメカニズムの更なる深い理解と, 応用的な高精度解析モデルが必要であると考え, 伝達関数の高精度推定手法やボーリングプロセスなどに対応した解析モデルの検討, 自励型びびり振動に対するモードカップリングと再生効果の影響の切り分けなどについて検討を行った.
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