2009 Fiscal Year Annual Research Report
高自由度位置姿勢制御工具電極を用いた放電加工による断面変化穴の創成
Project/Area Number |
20760085
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石田 徹 Osaka University, 工学研究科, 准教授 (20313421)
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Keywords | 断面変化穴 / 放電加工 / 位置姿勢制御電極 / CAD / CAM |
Research Abstract |
機械加工分野では,穴加工とは直穴の加工を意味するほど,形成できる穴の形状自由度は低い.そこで本研究では,工具電極に放電加工を行わせつつ,その位置と姿勢を制御し,自由自在に被加工物中を運動させることによって,複雑な穴形状を創成する新加工技術の開発を目指している.この技術により加工される穴は断面が複雑に変化する穴すなわち断面変化穴となる.この技術を実現するための具体的な目的として,位置と姿勢の変化を伴う高自由度運動と放電加工実現のための極間距離制御運動を電極に同時に与える技術,および,所望の形状をした断面変化穴を高精度高効率に創成するための電極形状と電極運動経路を算出する技術が不可欠である.昨年度は,前者の技術に関する研究を行って一定の成果をあげたので,本年度は,後者の技術に関する研究に加え,実用化を意識した断面変化穴の冷却管としての基本性能解析に関する研究を行い,以下に示す成果を得た. 1. 昨年度に開発した装置による2次元断面変化穴を対象としたCAD/CAMシステムを開発した.すなわち,定義した2次元断面変化穴の形状情報を入力すると,その形状を加工するための電極形状(電極の回転半径,先端半径,幅)とその電極の運動経路を出力し,さらに,その電極の運動経路を入力すると,装置の動作プログラムを出力するソフトウェアシステムを開発した.このシステムを利用することにより,モデリングされた2次元断面変化穴を実際に加工することができるようになった. 2. CAD/CAMシステムを構成するCAMの一部をなすポストプロセッサに関しては,3次元断面変化穴に対応できるものを開発した. 3. 断面変化穴を冷却管として使用する際の基本的な性能を熱流体解析によって定量的に検証した.その結果,従来冷却管と比較して,奪熱性能と等温面形状制御性能が飛躍的に向上できる可能性があることを証明した.
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Research Products
(3 results)