2008 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドパターンによるナノ粒子集積構造の形成と化学センサーへの応用
Project/Area Number |
20760088
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
金子 新 Tokyo Metropolitan University, システムデザイン研究科, 助教 (30347273)
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Keywords | ナノ粒子 / パターン基板 / 自己組織化 / センサー |
Research Abstract |
フォトリソグラフィとエッチングプロセスにより幅50〜150μm, 深さ1μm以下の微細溝配列をSiウェハ上に作製し, この基板に対してコンタクトプリントでオクタデシルトリクロロシラン(OTS)の自己組織化単分子膜を凸部上に転写した, これにより, 微細溝内部を親水性に保ったまま, その周囲の凸部をOTSで疎水化したハイブリッドパターンが形成可能となった. このハイブリッドパターンの濡れ性はコンタクトプリント条件に依存しており, 特にOTSの転写元であるPDMS押し付け時間によってOTS分子の転写密度が変わるため, その水接触角をある程度制御可能である, 微粒子整列の選択性を向上させるためには, 凸部を一定以上に疎水化することが必要だが, 過剰な押し付け時間は微細溝内部へのOTS転写を引き起こして全体的に疎水化してしまうため, ハイブリッドパターンの効果が得られなくなる. 今回の基板では, 凸部の水接触角が70°程度になる条件が, 後述する微粒子整列に最も適切であった. このパターン基板をポリスチレン粒子(粒径1μm)の懸濁液に浸漬させ, 所定の条件で引き上げることで微細溝内部に選択的に粒子を自己整列させることが可能となった. この粒子列は自己集合にしたがった六方最密充填であるが, その整列方位は幾何学的な拘束によって一様となる. そのため, 整列方位が異なる粒子列(ドメイン)の境界で発生する線欠陥を抑止することができた. また, 凸部の疎水化が懸濁液の濡れ広がりに十分な選択性を与えることがCCD顕微鏡によるその場観察で確認でき, このことが上記の選択的かつ高充填な微粒子整列を可能にしたと言える.これらのことは, 従来の化学的パターン(親水/疎水パターン)あるいは幾何学的パターンのみを施した基板への微粒子整列と比較して, ハイブリッドパターンが選択性や欠陥密度の点で優位性を持ち, 結果として自己整列技術による高精度な微細構造作製が実現できることを示唆している.
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Research Products
(5 results)