2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドパターンによるナノ粒子集積構造の形成と化学センサーへの応用
Project/Area Number |
20760088
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
金子 新 Tokyo Metropolitan University, システムデザイン研究科, 准教授 (30347273)
|
Keywords | ナノ粒子 / パターン基板 / 自己組織化 / センサー |
Research Abstract |
前年度明らかにしたハイブリッドパターン基板への微粒子整列条件を利用し、酸化錫および酸化亜鉛(粒子直径~数10nm)懸濁液のライン&スペース状構造を作製し、ガスセンサーへの応用を検討した。 酸化錫などの金属酸化物は、酸素の脱着によって電子空乏層(電位障壁)の厚さが変化するため、センサー素子として利用可能である。はじめに酸化錫の整列条件を調査したところ、一定濃度以上の粒子懸濁液を用いることで、安定した整列構造が得られることが明らかとなった.粒子列を挟む形で金電極を設けてプローブを接触させ、LCRメーターを用いた4探針法により構造の抵抗特性を調査した。室温(23℃)ではGΩオーダーの高い抵抗値を示すが、温度の上昇にともなって抵抗値が急激に減少し、半導体中の電子が価電子帯から伝導帯に励起され電荷の担体の数が増加する傾向が確認できた。そこで光整列幅179μm、平均粒子膜厚1.17μmの粒子構造をパターン基板上に作製し、温度270℃におけるガスセンサーの基本特性を調査した。サンプルガスとして1vol.%に調整したエタノール気化ガスを準備し、真空チャンバー内に基板を設置した後にエタノールガスを導入し、ガス導入前後における粒子間抵抗変化を測定した。エタノール曝露前に7.8MΩであった抵抗値は、曝露後に6.2MΩまで減少した。すなわち、粒子整列構造をガスセンサーとして利用できることを検証できた。以上から、ハイブリッドパターン基板上での酸化錫粒子の整列条件を明らかにし、次いで同構造がエタノールを対象としたガスセンサーに応用可能であることを実証した。
|
Research Products
(7 results)