Research Abstract |
平成20年度では, 熱可塑性樹脂(ポリアミド66(PA66), ポリアミド11(PA11), ポリブチレンテレフタレート(PBT), ポリアセタール(POM), ポリプロピレン(PP))にRBセラミックス粒子を配合することにより, 5種類のRBセラミックス粒子配合熱可塑性樹脂を作製した. RBセラミックス粒子の平均粒径は150μmとし, 配合率は各樹脂における射出成形が可能な最大の値とした. その結果, いずれの樹脂においてもRBセラミックス粒子を50wt%以上(POM : 50wt%, PA11, PBT : 60wt%, PA66, PP : 70wt%)配合することが可能であることが判った. また, 直径2mmの高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)球を相手材料として, 各複合材料の大気中無潤滑下, 油潤滑下における摩擦・摩耗特性を明らかにした. その結果, RBセラミックス粒子配合熱可塑性樹脂の摩擦係数は, 大気中無潤滑下ではいずれの樹脂においても, 樹脂単体に比べ低い値を示すことが判った. また, 油潤滑下においては, いずれの樹脂においても, 低すべり速度条件における摩擦係数が, 樹脂単体に比べ低い値を示すことが判った. また, RBセラミックス粒子配合熱可塑性樹脂の摩擦係数は, 樹脂単体に比べ, 大気中無潤滑下, 油潤滑下ともにすべり速度に対して安定した値を示すことが判った. さらに, RBセラミックス粒子を配合することにより, いずれの樹脂においても飛躍的な耐摩耗性の向上(樹脂単体に比べて, 大気中無潤滑下において67-98%の比摩耗量の低減, 油潤滑下において68〜99%の比摩耗量の低減)が見られた.
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