2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760098
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中嶋 和弘 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (70315109)
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Keywords | PVAハイドロゲル / 軟骨細胞 / 細胞接着 / 摩擦 / 吸着蛋白質 / 低摩耗化 |
Research Abstract |
軟骨細胞から産生される細胞外基質をPVAハイドロゲル表面へ産生させることを目指し, 第一段階として軟骨細胞をPVAハイドロゲル上へ接着するための方法を検討した. PVAハイドロゲルのみの表面では軟骨細胞の接着が難しいことがしられている. そこで各種蛋白質吸着膜をPVAハイドロゲル上へ形成し, 軟骨細胞の接着挙動について評価した. ハイドロゲルへのマクロファージの接着量は表面の官能基により変化するという報告がある(K.Smetana, Biomaterials, 1993). PVAハイドロゲルの表面には, PVAの分子構造から考えると水酸基が露出していると考えられ, 細胞接着は難しいことが十分に予想された. 初期に行った研究代表者の予備試験においても軟骨細胞の接着は確認されなかった. PVAハイドロゲルを蛋白質溶液に浸して蛋白質の静的吸着によりPVAハイドロゲル表面へ蛋白質吸着膜を形成し, その上に軟骨細胞を播種したが, 軟骨細胞の接着は確認されなかった. 静的吸着では十分な蛋白質吸着膜が形成されなかったと考えられた. そこで, 反復凍結法にてPVAハイドロゲルを作製する際に蛋白質溶液を表面のみに滴下して凍結・解凍することにより蛋白質をPVAハイドロゲル表面近傍に含ませることに成功した. そのPVAハイドロゲルに軟骨細胞を播種すると軟骨細胞の接着が観察され, コラーゲンの産生もみられたPVAハイドロゲルの低摩耗化には蛋白質吸着膜が重要であるため, 軟骨細胞から産生された組織の潤滑特性とともに潤滑性に優れる蛋白質吸着膜の摩擦特性の長所を併せ持つPVAハイドロゲル表面を開発するために, 蛋白質吸着膜の構造と詳細な検討を行った. 2種の蛋白質を層状に吸着させることで摩擦が低減することを明らかにした.
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Research Products
(6 results)