2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760098
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中嶋 和弘 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (70315109)
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Keywords | 人工軟骨 / 蛋白質吸着膜 / 軟骨細胞培養 / 摩擦 / 摩耗 / PVAハイドロゲル / 生体関節軟骨 / 人工関節 |
Research Abstract |
人工軟骨候補材料のポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲル上へ軟骨細胞を播種し細胞外基質を産生させたハイブリッド型人工軟骨の開発を行った.生体関節軟骨は軟骨細胞から産生されたコラーゲン線維から形成され,その表面にはゲル膜や蛋白質・脂質の吸着膜で覆われており,このような構造が長期にわたる低摩擦低摩耗を実現していると考えられる.そこで本研究では軟骨細胞と同様な表面構造を有するハイブリッド型人工関節の開発を行った.PVAハイドロゲルへ軟骨細胞を接着させるために各種蛋白質吸着膜を形成し,それぞれの蛋白質吸着膜上への軟骨細胞接着数の評価を行った.その結果,本研究で新しく開発した蛋白質凍結コーティング法によりフィブリノーゲンの吸着膜厚さが500μm程度になり,接着細胞数が生体関節軟骨と同等のレベルへ達することが明らかとなった.また,蛋白質吸着膜へ接着した軟骨細胞は脱分化していないため,生体関節軟骨細胞外基質のII型コラーゲンを多く産生する可能性を示した.培養により作製したハイブリッド型人工軟骨の摩擦試験を行い,その摩擦挙動について調査した.その結果,フィブリノーゲン吸着膜では摩擦の低減は見られないが,軟骨細胞を播種し14日間培養して細胞外基質を産生させた試料では摩擦の低減がみられた.しかし,摩擦試験途中で摩擦係数の急激な増加が見られる場合もあり,細胞外基質とPVAハイドロゲルの接着性を高める必要があることが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)