2009 Fiscal Year Annual Research Report
細分割を用いた次世代CADシステムのための基盤技術開発
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20760101
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川原田 寛 The Institute of Physical and Chemical Research, VCADモデリングチーム, 研究員 (40462676)
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Keywords | 細分割 |
Research Abstract |
現在のCADシステムではB-splineやNURBSといったパラメトリック曲面による形状表現が一般的であるが,これらの曲面は定義域を二次元平面に取っているため任意の形状(任意位相の2次元多様体)をひと続きに表現することができず,そのためパラメトリック曲面パッチ間の許容誤差を指定するなどの不自然さや,パッチ間での高階の連続性が確保できない不完全さを孕んでいる.これらの問題を解決すべく1980年代に細分割という手法が開発されたが,現状として細分割はCADシステムとして採用されていない.この現状を克服すべく細分割法がCADシステムの基盤となるための要素技術を開発した. 第一にうねりを制御可能な細分割の開発を行った.デザインのためのCADとして高いクオリティを持つためには曲率の連続性のみならず,うねりの少なさが重要である.ステンシルを変化させるだけで容易にうねりを制御することが可能である. 第二にボリューム細分割の開発と改良を行った.現行のCADシステムでは曲面モデルが主流であるが,次世代のCADシステムとしてボリュームメッシュも対象とするべく,ボリュームメッシュに対して施す細分割すなわちボリューム細分割の開発をおこなった.ボリューム細分割は良質のボリュームメッシュを得る手法として期待されていたが体積が0となるセルを発生させることがあることが理論的および実験的に確認された.この問題を改良すべく体積が0となるセルが発生する全てのメッシュのパターンに対し新しいステンシルを設計し,それを持つ新しいボリューム細分割を実装しその性能を確認した.
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