2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760103
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗原 央流 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (90344481)
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Keywords | 非線形音波 / 衝撃波 / 分散性 / 共鳴 |
Research Abstract |
今年度は, 交付申請書の研究実施計画に従って円筒型トランスデューサーを用いた円筒音波共鳴装置の作成ならびにその基礎的な音響特性の測定・検証を行った.また,共鳴円筒音波の直接数値シミュレーションにより偏心二重円筒および楕円筒内における共鳴音場のふるまいの解析を行った. 実験装置の作成に関しては, 富士セラミックス製の円筒型圧電セラミックス素子を円筒音波の音源とした. 実験装置の音響特性の評価として音源の駆動振動数に対する音圧の測定を行った.その結果, 1次から4次までの振動モードについて, 線形解析によって予測される共鳴振動数に対して1%未満の誤差で音圧のピークが観測された. このことより円筒共鳴管内に共鳴円筒音波が励起されていることが確認できる3また, 音響特性評価によって得られた最大音圧は170dBにも達し, 効果的な音波の増幅が確認された. またこのとき衝撃波は観測されておらず, 音波の分散性による衝撃波形成の抑制効果の存在が示唆される. 円筒音波の直接数値シミュレーションでは, 円筒の偏心や楕円の離心率の変化を考慮した2次元解析を行い, 円筒内に励起される大振幅音波のもつ非線形性と分散性が音波の波面の局所的な曲率の違いによって大きく異なることを示した.とくに, 曲率が大きい場合に分散効果が支配的となり, 衝撃波の形成が抑制されることが明らかとなった. また, 音場の非一様性により円筒内の局所的な振幅の増大が観測された.
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Research Products
(2 results)