2008 Fiscal Year Annual Research Report
超音速流中への燃料のパルス噴射による混合・貫通の促進
Project/Area Number |
20760105
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河内 俊憲 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (40415922)
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Keywords | 噴流 / 非定常流れ / 超音速混合 / 推進工学 |
Research Abstract |
超音速流中のパルス噴流の非定常挙動を調べるために, ハイスピードシュリーレン撮影用の光源としてDPSSレーザを購入し実験環境を整備した. また超高速でパルス噴射が行えるように, 高速で作動するパルスバルブと非定常噴射の状態をモニターできる半導体圧力センサを組み込んだパルス噴射器を作製した. そして連続シュリーレン画像から効率よく噴流外縁を抽出する画像処理法を新た開発し, パルス噴流の挙動またその比較対象である連続噴流の挙動を調べた. その結果, 連続噴流の貫通高さおよび噴射により生じる弓形衝撃波の軌跡は, 有効噴射速度比rと噴射孔径dを用いたrdスケールにより整理できることが分かった. この連続噴流の貫通性能と比較して, パルス噴流の貫通特性にはヒステリシスが存在し, 有効噴射速度比が上昇しているときの噴流貫通は下降時のそれと比べて大きくなることが分かった. またパルス噴流の貫通は連続噴射と比較して大きく, 貫通が最大を迎えるのは, 速度比がピークを迎えるより遥か手前で有効速度比の時間勾配が最大を迎えるあたりであった. このヒステリシスは, 噴射と同時あるいは噴射直後に形成され, 少なくとも噴射孔の30倍程度下流でもそのまま保持されることが分かった. またパルス噴流のヒステリシスの度合いはピーク噴射圧が大きくなっても, その上昇/下降の勾配が変化しなければ変化しないことが分かった. 上記画像処理法を応用し, 噴流外縁の高さを輝度値として時系列に再度マッピングすることで, 超音速流中の噴流の時間的・空間的変動パターンを調べ, 超音速流中の垂直噴流内にも比較的大きな構造があり, それがある決まった周期で生じていることを示した. またこの大規模構造の移流速度も, 時空間マップにおける縞状の直線の傾きから見積もることができるようになった.
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