2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音速流中への燃料のパルス噴射による混合・貫通の促進
Project/Area Number |
20760105
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河内 俊憲 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (40415922)
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Keywords | 噴流 / 非定常流れ / 超音速混合 / 推進工学 |
Research Abstract |
超音速流中におけるパルス噴射の貫通特性にはヒステリシスがある.その原因を調べるため,本研究室で開発の進んでいる数値計算コードを非定常計算に対応できるように拡張し,パルス噴射の数値計算を行なった.その結果,貫通特性のヒステリシスはパルス噴射時に生じる渦によって生じることが分かった.また数値計算により,実験では実施が困難なパルス周波数を大きくふったパラメータスタディを行い,パルス周波数と貫通高さの関係を調べた.その結果,噴流内部に生じるバレル衝撃波の変動が貫通高さを支配し,貫通が最大となるパルス周波数を決定していることが分かった. パルス噴射の混合状態に関しても,濃度の瞬時値から燃料の燃焼可能量を算出し,それを時間的に積分した新たな指標を用いることで評価できるようになった.数値計算によれば,貫通が大きくなるパルス周波数において,燃焼可能な燃料は定常噴射のおよそ二倍となることが分かった.この混合状態を実験的にも確認するため,数百kHzの濃度変動を捕らえられるガス分析プローブの製作を開始した.本年度は,数百kHzの応答速度を持つ定電圧式の熱線風速計の回路を作製し,質量流速と濃度変動を同時計測できる二線式のプローブの試作を行なった. これら数値計算の実施と実験装置の開発に加えて,昨年度から進めている画像解析による噴流特性の抽出手法を発展させた.この手法により,これまでは困難であった噴射孔近傍場での大規模構造の移流速度や,噴射に伴い生じる音波の発生周期を高精度に算出できるようになった.この画像解析により,高速シュリーレン画像から噴流の非定常な挙動をより定量的に抽出できるようになり,パルス噴流の超音速燃焼器への適応性をより詳細に調べることが可能となった.
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