2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音速流中への燃料のパルス噴射による混合・貫通の促進
Project/Area Number |
20760105
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河内 俊憲 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40415922)
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Keywords | 噴流 / 非定常流れ / 超音速混合 / 推進工学 |
Research Abstract |
パルス噴流内部に生じる渦構造やそれに伴う濃度変化を調べるため,レーザー誘起蛍光法装置とパルス噴射の同期を取ったフェーズロック法を開発した.パルス噴流へのトレーサ分子の混入は,通常使用していたバブリング装置では困難を極め,トレーサは噴流ではなく主流のみに添加した.そのため噴流内に生じるバレル衝撃波の挙動は可視化することが出来なかった.しかしながら,噴流内に生じる大規模構造や噴流と主流の混合状態は調べることができ,有効噴射速度比が上昇しているときに,噴流内に極めて大きな噴流塊が生じ,それが噴流と主流の混合を促進していることが分かった. これら実験と解析の実施に加えて,研究実施当初から開発を進めてきた,画像解析により噴流特性を抽出する手法を完成させた.この手法は,二次元フーリエ変換とサブピクセル補完を用いた新しい特徴抽出法で,この手法により通常定性的な扱いしかされないシュリーレン画像から,流体中の支配的な構造の移流速度,発生周期,スケールを同時に抽出することが可能となった.この研究成果は学会で非常に評価され,学会の最優秀賞を受賞した. パルス噴射器を実際の燃焼試験に適用する試みは,残念ながら予算の都合上,燃焼試験に耐えうるテストセクションを新規に作製することが困難で,断念することとなった.しかしながら,これらパルス噴射の超音速燃焼器への適用に関する研究成果は,学会とは別に超音速燃焼の研究で著名なUniversity of Virginia (USA)で発表する機会を得る事ができ,パルス噴射は超音速燃焼器に対する有用な噴射方法の一つであるとの評価を得ることができた.
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